自律神経と睡眠
自律神経と睡眠
自律神経活動にも変化があります。
起きている間は、交感神経系の活動が活発ですが、眠りに就くと副交感神経系が優位となります。つまり、起きているときは「緊張」をつかさどる交感神経、眠っているときは「リラックス」をつかさどる副交感神経がそれぞれ優位になっているのです。
その影響は脈拍、血圧、呼吸、発汗などに大きな変化が見られます。
ホルモンと睡眠
ホルモン分泌にも特徴的な変化が見られます。体の成長、修復、疲労回復に重要な役割を果たす、「成長ホルモン」が入眠後3時間頃に活発に分泌されます。サーカディアンリズムを調整する作用を持つ「メラトニン」は、最低体温になる約1時間前まで分泌されます。
「コルチゾール」は糖代謝をはじめ、タンパク代謝、脂質代謝、さらに免疫機構にも関係していて、生命維持に不可欠なホルモンです。炎症を抑制する作用もあります。またストレスに関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加するため、ストレスホルモンとも呼ばれています。
このコルチゾールは睡眠後半に大量に分泌されて、起きる直前には最大値を示します。
睡眠時間は長ければ良いか?
睡眠時間は、人によっても、また年齢によっても異なりますが、一般的には7時間程度が最適だと考えられています。
睡眠時間が7時間より短くても長くても死亡率が上がるという、睡眠時間と死亡率の関係を調べた研究結果も報告されており、長ければ長いほど良いという訳ではないようです。
睡眠の深さや経緯を知るためには、脳波・眼球運動・筋肉緊張・深部体温・ホルモン分泌などを細かく調べる必要があります。
厳密に検査しなければ、発生している睡眠が、本当はどういったものなのか分からないからです。
実は眠っている本人が、眠れているのかどうかが分かっていないケースも少なくないようです。